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尚君の声に皆の視線が集まる。
僕に向かって手を振る尚君、間の前で舌打ちをする詩音、僕達を囲ってくれた生徒は詩音の舌打ちに青ざめながら「どうしよう」と頭を抱えてる。
一先ず僕の取る行動で正しいものを教えて。
「真琴〜!俺だよ!俺!」
わー、オレオレ詐欺だー。って、そんな事考えてる場合じゃなくて。このまま無視を続けたらまた教室みたいなことになりかねない。
しっかり尚君に視線を合わせて、小さく手をふり返す。すると、唯一見えてる口角が上がり、更に大きく手を振ってきた。
「こっちに来いよ〜!」
「え、勘弁して」
「真琴〜!席用意してやるから来てくれるよな!」
声が聞こえてなかったのか、席を用意してやるという謎のお言葉を頂く。用意する権限尚君には無いと思うんだけど。
「はぁ、真琴行くよ」
「う、うん」
僕を腕を掴んで立たせてくれた詩音に引っ張られながら食堂の出入り口へ。
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