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欠けた心
園芸部が手入れしている庭園。
みんなが知っているものから珍しいものまで揃っている。
奥に進めば隠れ家、いや、隠れベンチがそこにあり知る人ぞ知る休憩スポット。
誰も座っていないそこに座った瞬間チャイムの音が鳴り、初めて授業をサボったんだと、他人行儀に考える。
「俺、会長と付き合う事になったんだ!」
尚君の声が離れない。
それと同時に朝の噂が本当なんだと実感する。
頬を触るけど、涙は出てない。
次に胸に手を当てると…うん、少しチクチクする。
悲しいのか、な。
「ははっ、実感湧かないや」
別れようとさよならと言われたわけでも無い。
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