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「で?何があったの。あの見た目も中身も汚い名前も知らないあいつが原因なんだろうけど」
「詩音言い過ぎ」
「言い過ぎ?あの汚いやつが学校中に言いふらしてる噂知ってるでしょ?今では学校中が面白がって新聞部が掲示板に掲載するわ、美琴の親衛隊がブチギレるわで大変だよ。風紀委員長は本物の鬼になってるって噂だし」
「早退してよかった」
「本当にね。ついでに会長は黙秘を貫いてるらしい。堅実で美琴一筋の彼が」
学校が荒れているのであればそれを収集させるのがトップである会長の仕事。更にはその原因が自分にもあるのだから何らかの行動を取ることが筋であるのに黙秘だなんて。
「噂は本当みたいだね」
「は?んなわけ無いじゃん」
「詩音も知ってるよね。もし違うのであればあの隆二はどんな手段を使ってでも正してる、撤回してる筈」
その言葉に奥歯を噛み締める詩音。
血が滲みそうなほど握り締める拳に手を当て視線を合わせ何とか笑顔を見せる。
「今日話してみるよ。嘘だろうと事実だろうと話し合わないとね」
「…一緒に居ようか?」
「詩音が居たら頼ってしまいそうだから」
何かあったら連絡してと言葉を残して自室に帰って行った詩音。
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