嵐がやってきた

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二人で廊下を歩き他愛のない話をしていると周りから黄色い声が飛び交う。 「天谷様美しい」 「詩音ちゃんお菓子受け取ってくれるかな」 「思いっきり罵られたい」 内容は様々だけど、最後の人は心配かな。 「詩音は相変わらず人気者だね」 「は?何それ嫌味?9割が美琴目当てだよ」 「そんなことないよ。詩音の話しか聞こえないもん」 「会長に気を遣って名前を出してないが4割で、神に近い存在すぎて名前を呼ぶ事もおこがましいと考えてるが5割だからだよ」 もう、詩音ったら、僕に気を遣わなくてもいいのに。僕の周りは人気者ばかりでたまに、たまーに不貞腐れる時もあるけどさ。 「M様が美しすぎる…」 「おお、神よ」 「きゃっ、今目があったかも!」 「会長様にはM様がお似合いだよね」 「艶やかな黒髪に大きく、それでいてタレ目で涙ボクロが………えろぃぃい」 本人のみ気づいていない絶対的な人気。 たまに目が合えば愛想良く手を振る彼に生徒は感動のあまり倒れ、倒れた生徒の失態を見せれば心配をおかけすると他生徒が壁になり隠すという事が日常的に行われているが、それについても本人は気づかず、隣の詩音はいつもやれやれとため息をつくばかり。
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