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さくらの花が咲くのを見るたびに
あの頃の私を思い出す
さくらの花が咲くのを見るたびに
あの頃の悲しい想いが蘇る
初めて自分以外の他人として関わったあなたのことを
知れば知るほど怖くなり
知れば知るほど独占したくなった
自分が自分じゃなくなる
自分のなかに自分じゃない存在が生まれる
否定しても否定しても次から次へと生まれる何か
さくらが 美しいのはなぜなんだろう
さくらが 人々を魅了するのはなぜなんだろう
私は …
私の気持ちはこのさくらのようにはなれない
どうして 素直に「好き」と認められないんだろう
どうして 私は一人でいようとするのだろう
かたくななまでにあなたを拒否し続け
それで何が残るというのだろう
散りゆくさくらの花びらは
きっと 私の心
何も残らなくていい
風に飛ばされ消えてしまえ
ただ あなたと同じ時間を過ごせた
その事実だけが残れば
それで…
<Fin>
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