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狭い風呂場のシャワーで
二人で一緒に体を流した後、
下着のみつけ、
ベッドの中に入った。
二人でいる時は
圭さんのこの寝方が
スタンダードになりつつある。
毛布と同じように圭さんは俺自身を両腕で包む。
温かい肌からは同じ優しい石鹸の匂いがする。
ふんわりとした時間。
圭さんは俺の顔をじっくりと見つめ、
俺も照れながらも見つめ返すと、
圭さんは口角をあげて目を細めた。
「海流くんに出会えてよかったよ。」
圭さんは染み染みとそう言うと
回していた腕の力を強めて
ギュッと抱きしめた。
「俺もです。」
圭さんに出会っていなかったら、
俺はきっとまだ自分が世界で一番不幸だと
思っていたかもしれない。
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