第11話:好きよりもっと

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「そういえば今度俺、 一回実家に帰ってみようかと思っているんです。」 「どうしたの、突然?」 「実は数日前に ばあちゃんの一回忌のことについて 母から連絡があって。」 「そうだったんだ。大丈夫?」 「多分・・・。 葬式の時は 俺も向こうもそれどころじゃなかったけれど、 今は落ち着いて、 互いに折り合いをつけて 向き合える気がしているのかもしれません。」 「そっか。それはよかったよ。 親になって思うけれど、 何があっても 自分の子はかわいいものだよ。」 「・・・そうですかね・・・。」 「うん。 こんなおじさんと付き合ってるって言ったら 逆にそっちに今度は怒られちゃうかもねぇ。」 「もう圭さんっ!」 ふざけ合って、 笑って、 痛いくらいに抱きしめ合って、 何度もキスを繰り返す。
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