第11話:好きよりもっと

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一粒の涙が瞳からこぼれ落ちると、 圭さんはそれにすぐに気づいて、 親指で拭った。 「どうしたの?」 「いえ。」 俺の笑顔をみて安心したように 「そう?ならいいけど。」 と言い、続けて 「そろそろ寝ようか。」 と俺の頭を撫でた。 「はい。寝ましょう。 おやすみなさい。」 「うん、おやすみ。」 そうして、 一枚の布団一緒に被り 肌をくっつけ合って 目をつぶる。 圭さんはごく自然に自分の腕を俺の背中に回して 眠りを誘うようさすった。 温かくて、心地よい。 きっと、明日も 俺は世界で一番幸せだ。 【完】
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