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小さい頃キラキラしたハートのビジューがついたピンクのミュールを背伸びして履いた。
まるでおとなになれたみたいで毎週スイミングスクールにミュールを履いていくのが楽しみだった。
すると、仲の良いあの子も色違いのミュールを履いていた。
あの子のミュールの水色のハートがキラキラと光に反射していた。
なんだ、私たち同じこと考えていたんだって笑いあったあの日はプールの水面と空が同じ青さでとても綺麗だった。
ねえ、今もミュールを捨てずに置いていますか。
あのとき、笑いあったことも覚えていますか。
あの子も私ももうあのミュールが入らなくなるくらい大人になってしまいました。
スイミングスクールがなくなってからはあの子にはずっと会っていません。
今は仲良かったあの子の顔すら思い出せません。
だけど、あの日笑いあったこととおそろいのミュールのことは忘れられません。
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