プロローグ

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プロローグ

 あたしの中学校生活のミッション。  それは、「ハートがバキバキ鳴る恋」をすること。  ステキな王子様と出会って、心臓が痛いくらいに情熱的な恋をするの。  そのためには、もうみじめな姿を人前で晒しちゃいけない。  だから、あたしは決めてたんだ。  もう二度と、「できないこと」に無理してチャレンジしないって。    自分のできること、得意なことだけをやって、キラキラ女子としての振る舞いを学校中に見せつける。  向いてないことからは、全力で逃げるのが一番。  ——そう思ってたのに。  スポットライトの下、弧を描いて飛んできた、君の想い。  受け取った瞬間、もう逃げるなんて無理だって気づいて。  思い切って奏でた音が、教えてくれたの。  ほんとうに心臓が高鳴るために必要なこと。それは——
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