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そして4月になり、オレの頭の上の茎からは、白い十字状の花が咲いた。オレ、ダイコンは花が咲くと根であるダイコンの身自体がスカスカになり弱くなってしまう。
その弱くなったオレを、夜中に引っこ抜いた奴がいる。そいつからは腐った干しガエルの匂いがしたのは気のせいだろうか…。
もう、オレの寿命もここまでだ。言っておかなければならないことがある。オレのような「ド根性ダイコン」はこの村には幾つも居る。そこで、ダイコン同士の通信で話したことをまとめたのがこの作品だ。
まだまだ、みんなの寿命が尽きても、それぞれの「ド根性ダイコン」の雄しべから花粉を飛ばし、オレが生まれてきたこの村と、そこに必要不可欠なカエルたちと、「ド根性ダイコン」の繁栄をいつまでも願う。
(了)
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