狂った奴

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一際冷たかったあの日の口調に、 一際多かったあの日のあくびに、 僕は気づけなかった。 “ありがとう”も“ごめん”という言葉も 君に伝えないまま 向かえたのは悲しい結末だった。 突き放したのは僕の方なのに どうして僕が苦しいんだろう? 忘れよう。 ただその一心で君の服を整理する。 でも、君の匂いがそうさせてくれないんだ。 服を抱き締めると幸せだった 君との思い出が蘇る。 壊してしまった思い出の中に また君を探して 見つけるのは君の美しくて儚い涙だけ。 僕はきっと、狂っていたんだ。 結局君しか愛せないのに。 君しかいないのに。 君がいないと息をすることも出来ないのに、 何を信じてそうしたんだろう?                       続
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