コソ泥ムネトの歌

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「思い出せた?」  女の子がふわりと降りて来て、言いました。窓を背にしているので、長い髪の毛が虹色に輝きます。 「ああ、わかったよ。うそっぱちの歌を歌ってたあの時がおれの人生でいちばん楽しかった瞬間だ」 「じゃあ、行こうか。……今日はおんぶじゃなくて手を握ってくれる?」  太陽が地平線に姿を見せ始めました。
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