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「まったく。あとは、子供たちのこととか、色々やる事はあるからな?考えとかないとな」
「はいっ!」
「じゃ、ちょっとLINEさせて」
理はそう言って私の肩から手を離すと、スマホをポケットから取り出して何やらメッセージを打ち込んでいる。私は理のスマホをチラッと見るけど、理は両手でスマホを持って私から見せまいと体を斜めにした。
「見ちゃだめーっ」
怪しい!!
私は口を尖らせるけど、何も言い返せない。美夜はそんな私を見て、
「じゃ、もし本当に台湾行くんなら、帰ってきた時には、私、赤ちゃん生まれてるかもね」
と言うと、私は目を丸くして美夜を見つめた。
「そうね。そうかもねー!頑張って。何かあったら、滋なり理なり、圭太なり、誰か呼ぶのよ!滋、頼んだわよ!」
私が拳を固めて言うと、滋は声をあげて笑った。
「任せろ!!」
そうして、子供たちが戻ってから、私たちは自宅に早めに帰り、いつもより早めに夕食を終えると、理は急かすように、子供たちを早急に寝かせてしまった。
夜の9時頃、光莉たちも寝室に入った頃。インターホンが鳴って、理が「お、キタキタっ」と呟いて玄関に足取り軽く向かい、少しするとすぐに戻ってきた。その手に小さな箱を持っている。宅急便?にしても…。
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