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その日の夜。
実家の自分の部屋のベッドの上で、俺は無駄に正座しながらスマホを握り締めていた。
連絡は、してみようと思った。
不意に告白されてしまったけれど、嫌だったわけではないし……俺も高城さんの事、もっと知りたいし……。
今すぐ付き合うとかではないけれど、少なくとも連絡はしてみたいと思ったのだ。
高城さんのIDが書かれた紙を見ながら、彼のIDを入力し、検索する。
そして表示された彼のIDを自分のリストに登録。
そして、続けてメッセージを打った。
散々悩んだものの、『こんばんは。今日はありがとうございました』という無難な……いや、もしかしたらそれ以上に素っ気なさすら感じる文章を送信した。
すると五分後、高城さんから返信が届いた。
『こんばんは。連絡ありがとうございます!
早速ですが、来週のどこか空いている日、仕事終わりに二人で飲みに行きませんか?』
そう書かれていたその文章に、胸がトクンと高鳴った。
『はい。ぜひ行きましょう』という返信を送った後、妙に気恥ずかしくなり、枕にボスッと顔を埋めた。
……これからどうなるかさっぱり分からないけれど、飲みに行くのは楽しみ、だな……。
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