番外編 出会いの話

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翌週の金曜日。 週末であり、ちょうどお互いに予定が無かったので、仕事終わりに駅で待ち合わせをした。 「水樹さん、お疲れ様です。今日は来てくれてありがとうございます」 「い、いえ、そんな……。こちらこそ誘っていただいて……」 高城さんは今日も相変わらずかっこ良く、爽やかな笑顔を俺に向ける。 好きだと言われたことを思い出すと、何だか上手く話せない。 そんな俺をリードするかのように高城さんがよく足を運ぶという店に連れて行ってもらう事に。 飲みに行きましょうと言われていたから、てっきりチェーン店の居酒屋にでも行くのだと思っていたけれど…… 連れて来てもらったのは、高級そうなお洒落なバーだった。 「水樹さん、何飲みますか?」 カウンターテーブルに着くと、俺の左側に座った高城さんが慣れた様子でメニューを手に取り、俺に見せてくれる。 しかし、いつも酒と言ったら安い居酒屋でビールしか飲んでいなかったため、カクテルの名前がよく分からない。 その事を正直に告げると、高城さんが彼のオススメのカクテルと、それから料理も一緒に注文してくれた。……家に帰ったら、カクテルの名前も勉強しておこう。
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