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「侑、あけおめー!」
寝室の引き戸をバァンと開けて、俺は声をあげた。
そのままベッドの方へ突き進み、ダブルベッドの上でまだ横になっている侑の身体を、布団の上からゆさゆさと揺らした。
「ほらぁ、起きてはいるんだろー? そろそろ布団から出ろってー!」
「わ、分かった分かった! 起きるね」
少しだけボーッとした表情で上半身を起こした侑は、俺の顔を見て「おはよう、ゆん君」と、にっこり微笑んだ。
「ゆん君、お正月なのに朝から元気だね」
「正月だからな! 何かウキウキする」
「身体は痛くない? 夕べ、結構無理させちゃっーー」
「そ、そういうことは言わなくていいから!」
恥ずかしい言葉は聞くまいと、俺は右手で侑の口元を覆った。侑のことだから、意地悪とかじゃなくて天然でこういうこと言ってるっていうのは分かるけど。
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