番外編 出会いの話

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ーー… 「ん……」 ぐっすり眠って、目を覚ました。 部屋は薄暗いが、恐らく朝になっているだろう。 「あれ……?」 上半身を起こしながら隣に視線を向けると、そこで眠っていた筈の高城さんの姿がない。 とりあえずズボンだけ穿いた後、トイレか風呂かと思って見に行ったが、どこにもいない。 ……先に帰った? え?何も言わずに? いやいや、そんなわけ…… まさか、遊ばれた⁉︎ 急に、大きな不安が波のようにざわっと押し寄せる。 俺は、本当に高城さんのことを好きだと思ったし、これからも知っていきたいと強く思ったけど……両思いだと思ったのは、俺の勘違いだった? パニックに陥りそうになっていると、不意に部屋の入り口の音が開く音が聞こえた。 音がした方に顔を向けると、スーツのズボンとワイシャツ姿の高城さんがそこにいた。 「あ。結羽君、おはよう。ごめんね、部屋を出たところに自販機があったから、飲み物買ってきたんだ」 「飲み物……?」 「結羽君、水とお茶どっちがいい?」 じゃあ水……と答えると高城さんは、水の入ったペットボトルを笑顔で手渡してくれた。 遊ばれてなくて良かった……とホッとしながら水を一口含んだ。美味い。 「……そう言えば今、俺のこと名前で呼びました?」 ベッドに並んで腰掛けながら、俺は高城さんにそう尋ねた。 昨日まで水樹さんと呼ばれていたけれど、今は結羽君と呼ばれた気がする。 「うん。もっと仲良くなりたいから、名前で呼んでもいい? 僕のことも名前で呼んでほしい」 「えっと、名前で呼ばれるのは全然大丈夫なんだけど、お互い名前で呼び合ったらややこしくない? 同じ名前だから」
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