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がっぷり四つに組む玲子と遼子。 お互いの力が拮抗し、どちらも動かない。 凄まじい形相で玲子を睨みつける遼子。 遼子がいきなり玲子の金髪の長い髪を掴んだ。 するとすぐに玲子も遼子の茶髪を掴んで、お互いが髪の毛を引っ張りあった。 「兄貴!」 その時、教室の中から、遼子の子分、チョウパンの恵美子の声が聞こえた後、窓から何かが飛んできた。 遼子はそれをすぐにキャッチし、玲子の身体をパッと離した。 すかさず間合いを取る遼子。 遼子は手にしたものをぐるぐる回して、玲子を威嚇した。 遼子が手にしたのはヌンチャクだった。 ブルース・リーさながらの速さでヌンチャクをぐるぐる回す遼子。 「きたねえぞ遼子!てめー、素手でタイマン張れねえのか!」 玲子はすぐに遼子を睨んで怒鳴りつけた。 「ここはジュクだ。あたいが番張るシマ(縄張り)だよ!こっちの流儀でやらせてもらうぜ。ここじゃお前とはタメセン(対等)じゃねえんだよ!」 遼子はそう玲子を怒鳴りつけた。 「けっ!おちょくりやがって!」 玲子はそう言いながら、素早く間合いを取った。 さらに激しくヌンチャクを振り回す遼子。 いきなりヌンチャクの一撃が玲子を襲った。 瞬間的に身体を動かし、ヌンチャクの攻撃をかわす玲子。 さらに激しくヌンチャクを振り回しながら、玲子に一撃を食らわそうとする遼子。 激しい緊張のバトルが続いた。 一瞬、遼子のヌンチャク攻撃がやや高めの空を切った時だった。 玲子はすぐに身体を沈めて、しゃがんだ状態のまま、いきなり遼子の足に飛びついた。 足をとられた遼子はバランスを崩して倒れそうになったが、なんとか持ちこたえた。 しかし玲子はさらに突進して、遼子の足をなぎ倒してしまった。 「うわっ!」 地面に倒れる遼子。 玲子は一気に遼子の身体の上に馬乗りになり、遼子を殴り始めた。 玲子が繰り出す鉄拳を防ごうと、遼子はすぐに防御の態勢を取り続けた。 玲子はそれでも構わず遼子の防御の腕をこじ開けて顔を殴ろうとしていたが、その間に遼子の長い長い脚が秘かに玲子の首を捉えようとしていた。 しばらくして、いきなり遼子の長い脚が一気に玲子の首に絡みついた。 脚が長いので、遼子は難なく玲子の首を凶器のような脚でギリギリと締め続けた。 「うぐっ…!」 これではもはや、玲子は鉄拳攻撃はできない。 窒息しそうな状態になりながら、遼子の長い脚を首から外そうと玲子は必死になった。 だが遼子の雄に長い脚には余裕があり、両脚をガッチリ玲子の首に絡めて、さらに締め付けを強くした。 「ううっ…!」 玲子は窒息寸前になりながら呻いた。 玲子の意識は徐々に遠のいていく。 朦朧とした状態となる玲子。 だが玲子は首から遼子の長い脚を外そうとするのをやめると、目を瞑ったまま、再び無茶苦茶に遼子の顔や身体を殴り始めた。 玲子としては一か八かの捨て身の打撃攻撃だ。 遼子は防御してはいたが、ランダムに顔や身体を思い切り殴りつけてくる玲子の鉄拳をかわし切れず、殴られてダメージが蓄積し出した。 遼子の側にもダメージが出てきたため、仕方なく遼子は玲子の首に巻きついた長い脚を離して、玲子から身体ごと離れて距離を取った。 首から遼子の巻きついていた脚が外れた途端、玲子は荒い息を吐き出した。 同時に遼子との間に距離を取った。 玲子は、なんとか気絶寸前から意識を取り戻した。 遼子と玲子は、お互い距離を取ったまま、しばらく緊張状態で睨み合った。 と、そこに担任教師の武藤が通報したのであろう警察官が数名校舎に入ってきて、遼子と玲子を完全に引き離し、両者を別々に抑えこみ拘束した。 「離せ!マッポに用はねえよ!」 玲子は暴れたが、遼子は妙に冷静な様子で沈黙し、冷やかな目で玲子を見つめていた。 しばらくして、警官たちは玲子だけを乗ってきたパトカーに連れ込み、警察署に連行してしまった。 玲子は理不尽に感じたが、どうにもならなかった。 担任の武藤は、転校生の生徒玲子がいきなり暴れていると警察に通報したのだった。 学園理事長の娘である遼子は、あくまで暴れる転校生の暴挙を制止しようとした被害者の優等生という風に警察は認識していた。 武藤が然様に警察に通報したからだ。
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