小市民

1/1
前へ
/89ページ
次へ

小市民

2021年4月13日 紅白幕のかかる桜並木の道から、新年度をスタートさせました。 「ときどき、ドキドキ/keiの散歩径(さんぽみち)小径(こみち)大好きの私が、ドキドキしたり、ときめいたことを、ゆるゆると書き留めていきます。 前作に続き海膳紙葉さんから「ときどき、ドキドキ」の題名をお借りしています。 紙葉さん、ありがとうございます。 表紙の写真は、昨年の5月にコロナ渦の中であって、仕事もプライベートも停止してしまった時に、夕暮れの人気のない路地を散歩していて、一番星の輝きを見つけて写真におさめたものです。 家に帰って撮った写真を見返して、ふと、別な考えが浮かびました。 そっくりだなって(笑) 034a635a-c1eb-4c5e-9c1e-f47b1ae7b5bf keiの散歩径1(現在非公開)にも書きましたが、マグリットの「光の帝国」に似ていると思いました。 *下記の画像は著作権フリーから添付しています。 c23efdd6-dbe9-4c69-ba79-5f8a9e1cdc07 雰囲気が似ていませんか? 美術学校一年生の時に使用していた教科書に載っていました。空は青空の白昼ですが、地上は夜。二つの時間帯を同時に一枚の絵で表現した技法は、シュールレアリズムです。 初めての教科書を開いて、マグリットのだまし絵のような世界観にぐいっと引き込まれました。 写術的な作風は現実離れしている。日常の中の非日常。そんな世界観が好きです。 私の書く物語も、少なからずこういった絵画から影響を受けていると思います。 それは、ヒューマンドラマであっても、どこかホラーかもしれない。あるいはファンタジーかもしれない。 今年一年は、その当たりをもう少し追求したいなと思います。 ちなみに、マグリットは小市民だったと言われています。同じシュールレアリズムの技法を用いたスペインの画家のダリは、見た目も、行動も華々しく、芸術家自身が芸術であるというパフォーマンスの芸術家でした。 対照的にベルギー人のマグリットはいつもスーツ姿。幼友達の妻と生涯連れ添い、アトリエもなく、キッチンの片隅で描いていました。いわゆる、芸術家らしくない芸術家です。芸能人に例えるならタモリのような人をイメージしました。 それこそが、日常の中の非日常だと思われます。 自分が目指すなら小市民かな(笑)  これから半年間どうぞよろしくお願いします。
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加