ホームランと手術

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ホームランと手術

とある病室に少年とその母親が居た。 そこへ野球のユニホームを着た男が入って来た。 男「やぁ、どうも!」 ケンジ「……どうも」 ケンジの母親も無言で会釈した。 男「ケンジくん、なかなか手術する勇気が出ないんだって?」 ケンジ「はぁ……まぁ」 男「わかった!今度の試合で僕がホームランを打てたら、君も勇気をだして手術受けて見ないか?」 ケンジ「……なぜ?」 男「……いや、なぜ?とかじゃなくてそういうものだろ?」 ケンジ「……なにがそういうものなの?アンタのホームランになんで僕の命賭けなきゃいけないの?なに?金持ちの遊びなの?」 男「え?……いや、そういうわけじゃないけどケンジくん…」 ケンジ「…なに?」 男「僕が大谷翔平でも同じ事が言えるかい?」 ケンジ「……なんかスリムクラブの真栄田に『俺が松本人志でも同じ事が言えるか?』とか言ったガレッジセールのゴリと同じ発想だよね?」 男「え?そうなん?お笑い詳しいね」 ケンジ「だったら逆にもし僕が大谷翔平だったらそういう態度でいいわけ?」 男「君は……大谷翔平じゃないじゃん」 ケンジ「おまえもな!」 男「いや、同じじゃないけど、同じジャンルというか……」 ケンジ「同じ哺乳類って意味か?なら僕も入るだろ?」 男「いやいや、そりゃ広げすぎだって」 ケンジ「あのね……わかってないようだから言うけど、そうやって人に差別は良くないみたいな話をしておいて、しっかりと相手は見下している所が論理破綻してるんだよ」 男「ろ、ろんり、、、とにかく、今度の試合でホームラン打つから!」 ケンジ「……ご自由にどうぞ」 男は部屋を出て行った。 ケンジの母「それにしてもあんな名前の球団あったかしら?」 ケンジ「ないよ、Doctorsって言うのはここの先生達がやってる草野球チームだよ、服装が違ったから別人に見えたんでしょ?」 ケンジの母「あらやだ……病院変えなくちゃ」
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