普通の人

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普通の人

「…今何時」 「16時過ぎくらい」 「準備するから待って。どこ行くの」 「秘密!」  今日はやけに蒼のテンションが高いな。 まあ仕事がない休日なんてレアだし仕方ないか。 スーツも制服も着ないで外に出るのが久々に感じた。 「の人になったみたいだな」 「たしかに…でも俺さ、こういう路地裏つーか狭い道とか公園のトイレ見るたびにお前が売りしてた時の事思い出すんだよな。あん時は任せて…ごめん」 「ははは、まあ蒼より俺の方が顔は可愛いかったし?金稼ぐには早いしね〜」 「笑うなよ、俺なりにこの事ずっと……」 「でも中学になったばっかの俺らで生きていくにはそれしかなかったんだよ。だから気にすんなって」 「それより…どこむかってんだよ」 「あ、もう着く!少しここで待ってて」  「街にでて買い物とか高校生みたいだなあ」 「お待たせ」 ブランドの袋を持って15分もしないで蒼が出てきた 「はや。次は?」 「次は家に戻る!」 (?????)  なんのために俺を連れ出したんだよ… でもなんだか綺麗な夕焼けをみれただけでも凄く得した気分。自分まで浄化されたような。 「もうすぐで夏休みだな」 「そうだね。蒼と俺はきっと今年も仕事まみれ」 「それでもいいよ。お前と一緒にいれんなら」 他愛もない話をしてる間に家に着いてしまった。 靴を脱いでリビングのドアを開けると。
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