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誕生日
ドアを開けると沢山のパンッという音と「誕生日おめでとう」という声が聞こえてきた。
「!?」
リビングにはボス、黒田、如月家の人たちがいた。
「あ、俺誕生日か…今日」
「天、誕生日おめでとう!今時の高校生は誕生日をこうやって祝うんだってさ!」
蒼の笑顔をみて胸がきゅっと締めつけられた。
「おめでとう」
「ボスまでありがとう」
「俺よりボスの方が楽しみにしてたまであるな」
「そりゃあ、息子の誕生日だからな」
「皆さん、早くケーキ食べましょう!」
黒田の声と共にみんながテーブルに集まる。
自分が…自分たちが裏の人間なんて忘れそうだ。
「あれ?そうーボスしらない?」
「ベランダでたばこー」
みんなすごく楽しそう…
_______カラカラカラ
本当の父親があなただったら…なんて贅沢すぎるよな
「疲れてない?」
「おー天か。」
「今日はありがとう。こんなの初めて」
「…もう18か、大きくなったな出会った時はまだガッリガリの中坊だったのに」
「あの時俺達を見つけてくれてありがとう。感謝してもしきれないよ」
俺の頭をガシガシと撫でた後に、にっこりと笑って部屋に戻って行った。
「今日と明日の仕事は夏休みにまわしたからな!夏休み潰れたら蒼を恨めよー」
「げっ、まじかよ。ってもともと夏休みなんて俺達にないだろ!!」
(毎日こんな楽しかったらなあ…)
日付けが変わる頃みんな帰ってしまったが、笑いに包まれて本当に家族を味わった気分だった。
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