側に

1/1
前へ
/22ページ
次へ

側に

静まりかえったリビングのソファに座った。 (ああ、なんだか心臓にぽっかり穴が空いた感じ。こんな気持ち今まで無かったのになあ) 「お前何体育座りしてしてんの?」 「んー余韻に浸ってる」 「…まだはえーよ。ちょい耳かしてみ?」 「なに?」  俺が身につけてるピアスを外して、別のものを取り付け始めた。 「できた!誕生日おめでとう」 「これさっきの店の?」 「うん。片方は俺がつけんだ」 (やばい……) すぐに下を向いたが手遅れだった 「天?何下見て…お前泣いてんの?」 「お前のせいだろ!今までこんなのしてこなかったのになんだよ急に。こんなこと…」 口に出せば出すほど涙が出てきた 「お前には幸せになってほしいから。俺なりにめっちゃ考えた。って鼻水垂らすなよ〜」 「天、ずっとそばにいてね」 「あたりまえだろ。」  俺は幸せ者だ。こんなやつがずっと一緒にいてくれるんだから。 泣き疲れた俺はそのままソファで眠りについた。  その日の夢は現実の幸せとは反対に今までで1番酷い夢だった事を俺は忘れられない。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加