悪夢

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悪夢

____________また同じ夢か…? いや、いつもの義親がいない… 「やめろ!そいつに触るな!」 蒼の声か?なぜこの男は俺の顔を触ってる? 「お前綺麗な顔をしてるな。こいつなら大金になるだろ。」 「もう1人はどうします?」 「こいつは虐待の跡が酷いな。これは売れんわ」  男達の顔が曇っていてよく見えない。 「お願いだ!天だけは連れて行かないで!」  前に見えるのは泣き喚く幼い蒼の顔 「やかましいガキだな。そんなにこいつが惜しいか」 「俺には天しかいないんだ!」 「なら、お前にチャンスをくれてやろう。満足させられたら18まではお前の物だ。」 「○○様、そんな必要なんて! グッッ…!」  口を挟んだ男が勢いよく殴られた。 「黙れ。成長すればより使い物になって高く売れるさ」(18まで待つ?どういう事だ?) 「なんでもするから…天を返して…ください」 消えそうな声で俺の名前を呼んでいる。 「…お前らそいつをちゃんと抑えておけよ?おいガキこっちに来い」 (なんで寝室に…蒼だめ…いかないで!!)  蒼は恐らくトップの奴であろう男に連れてかれ、俺は強く男達に抑えられてドアの前に立たされた。 「汚い顔だな。」 「い…たい、痛い…」 「そこのガキも目に焼き付けておくといい。将来のお前だからな」 目の前でまだ12歳の蒼の体とおっさんの体が見えて生々しい音と蒼の泣き声を抑える声が混ざっていた。 「やはり新品はいいなあ」 男が蒼から離れて俺の方へ向かってきた 「18になる頃お前を迎えに行く。それと、この家は無くなるからせいぜい生きて待ってろよ?」  男達は家から出て行って、ベッドに動けなくなっている蒼だけが残されていた。  夢の中で金縛りのように動かない体は、泣いてうずくまる蒼によりそうことも、声をかけることもできなかった。
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