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釣り合わないけど
「今日蒼くんいないんだ?」
「うん。手、放して欲しい…」
「ねえ、あのホテルの部屋で何があったの」
「……」
(これはまずい)
「あの後怖いおじさんが3人入って、でかい袋かついででてきた」
「君には関係ない。これ以上追及するな。」
「…正直何があったのかは僕でも察してる。他言はしないつもりただ代わりに友達になって欲しい」
「…は?」
俺は一瞬理解ができなかった
「友達?沢山いるだろ?」
「確かにいる…けど、入学した頃から気づけば2人を目で追ってた。」
(それに…)
「蒼が許してくれない。きっと。」
「蒼君を言い訳にしないでよ!」
(こいつが怒ってるのを見るのは初めてだった)
「言い訳とかじゃ…」
「友達になるだけで、あの夜のことは無かったことになるんだ」
「そこまでして友達になる価値なんか俺には…」
(…釣り合わないんだよ。クソみたいな生き方をした俺と綺麗に育てられたお前じゃ。でもどこかでこんな光を求めている自分がいることも憎い。)
「価値とか関係ない。」
「…わかった。条件はのむから、約束は守ってくれ」
「うん!もし学校の人にバレでもしたら殺してもいい」
ありったけの笑顔で言ってきた
「そんな事滅多にいうなよ。」
「へへ。じゃあとりあえず日向ってこれからは呼んでよ!僕も下の名前で呼んでるんだから!」
「ひなたーどこいったー?」
「やば!戻るね、また明日ね天君」
さっそうと雨宮は輪の中に戻って行った。
ただの物好きなのかなんなのか。
俺みたいな奴があの笑顔の近くにいていいと言うのならそれに甘えてしまいたくなる。
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