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蒼の変化
(この前怒らせたばっかなのに、蒼に伝えたらきっとまた怒るだろうな…胃がキリキリしてきた)
俺は深呼吸をして家のドアを開けた。
「ただいま。そうー?」
「んーおかえり。」
蒼は自室で仕事の資料をまとめていた。
「今ちょっといい?」
「どうした?」
「実は教室で雨宮にあってさ…」
作業していた手が止まりこっちを振り向く
「この前の事友達になってくれるなら黙ってるって」
「は?なんだそれ。信用なんねえよ。そんでどうしたの」
「…了承した。それで俺達の秘密が守られるならって思った。」
考えているのか怒っているのか返答がない。
「お前がそういうなら…って思ったけどやっぱすぐには無理。明日俺が雨宮と直接話す。」
(?…いつもなら怒りに任せてるはず。)
「えっ…俺わりと殴られるの覚悟してたのに」
「別に許可してない。一昨日の俺なら殴ってたし。でも昨日のお前を見て…来年の誕生日はもっと人呼んでやりてえなって思ったり、普通なら友達になるだろ?」
そのまま、またパソコンの方へ体を向けた。
「ねえ、蒼」
「なんだよ、話終わったろ。」
「ありがとう。」
「…」
きっと蒼も普通の生活ってやつには憧れを持っていて、他人を拒絶してた蒼が俺のために変わろうとしてくれてるのはこんなにも嬉しいことなんだ。
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