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女の暗殺①
そして俺達は黒田の車に乗って会場へ向かった。
「なあ、蒼、最近政治家からの依頼多いと思わないか?」
「…別に普通のことだろ。むしろ一般市民が裏社会の奴らになんて頼むかよ。」
「それもそうだな。」
「スーツもウェイターの制服も大した変わんないな」
蒼が窮屈そうにしている。
「ははっお前は金髪だから周りから浮いてんな。
バレるなよ?」
「そんなヘマしねえよ」
俺はこの仕事が嫌いでは無い。蒼と働けて、ボスからは2人で過ごせるようにするという保証もされてるから。
パーティ会場に入るとヴァイオリンとピアノの音が響いていた。
「ターゲットの女どこだろ」
「あそこ。実物わりと美人じゃん。おじさんに囲まれてるだけあるね」
(...蒼はあーゆう女が好みなのか?)
「上階のホテルに連れ込もう。」
「ならウェイターより普通に話しかけた方がよかったんじゃないか?」
「離席のタイミングで俺がホテルに連れてくよ。
蒼は部屋の準備しといて。」
「任せて」と同時に腰に手を回してきた。
「距離感どうにかしてよ」
蒼は両手をパッとあげて上階に向かって行った。
_____しばらくすると女はトイレに向かって行った。
(少し無理やりだが出てくるタイミングでワインをかけよう。周りは蒼が見てるはず)
コツコツとヒールの音と共に自分も前に進んで行った
_____________ドンッ!!
「きゃ!何事!?」
「あ!!お客様申し訳ございません!」
できる限りめいいっぱいぶちまけた。
「ドレスが台無しじゃない!」
声を荒げる女の口を塞ぐ。
「すみません。人に見られる前にお直し致しますので上に来て頂いていいですか…?新品もございます」
(反応が戻ってこない…やらかしたか?)
すると、女がふと口を開いた
「ねえ、あなた…」
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