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高校と裏社会
なあ、もしテレビに出るヒーローみたいな特別な力があればお前を助けられたのか?
『大切な人を守るだけの力をください』
小さい頃から何度願った言葉か
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「みて!今日も雨宮君達サッカーしてる」
「あの無邪気さ癒されるよね〜」
「わかる、母性でるんだけど」
女子達の会話が聞こえてきてふと顔をあげる。
確かに雨宮は人気があるが俺は女子達と反対に雨宮を見ると…毎日楽しそうで愛されてるような人間を見ると無性に嫌気がさす。
きっと心の底では自分と比べてるからかもしれない。
(...あれ?なんかこっちに走ってきてないか?)
「天君だよね!今人足りなくて!一緒にどうかな」
(え?目を合わせるのすら初めてなのに)
「それにいつも一緒の子はいないの?」
「…飲み物買いに行っただけ。蒼が来る前に戻りなよ」
「どうして?てか、僕雨宮日向!よろしく」
ものすごい笑顔で手を差し出してきた
「雨宮君よろしく。でも、戻った方がいいよ」
すると被さるように蒼の低い声が聞こえてきた
「ねえ、何してんの。俺がいない時に天に近づくな」
雨宮はきょとんとした顔で
「わかった!またね天君!」 と言って戻って行き
「またなんてねえよ」と蒼が呟いた
「天、あーゆう奴嫌いじゃなかったっけ」
「嫌いだよ。サッカーに誘われただけ」
(案の定機嫌が悪いな)
俺と蒼はいつも校庭の見えるベンチで食べている。
ここが一番落ち着つくし、人が少ない。
それに食堂や教室なんて居れたもんじゃない。
というのも、学校にいる時は俺に対して蒼が異常に
過保護になるからだ。
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