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「よく亡くなったひとは天国に行くとかいうけどね。ぼくは転生を信じてる」
「転生?」
「うん。亡くなったひとはとりあえず仮の場所へ行って、そこからまた生まれ変わるんじゃないかって」
「じゃあ、この世に彷徨っている霊は、生まれ変われないってこと?」
「そう思ってる。ぼくはね」
松浦さんがにこっと微笑む。
ということは、希海がこのままわたしの部屋に居座りつづけたら、あいつは新しい命に生まれ変われない。
それはダメだ。
希海はちゃんと、行くべきところへ行かなきゃダメだ。
「あの、松浦さん……お願いがあるんですけど」
「ん?」
「今夜……わたしの部屋に遊びに来てもらえませんか?」
松浦さんはわたしの前で、不思議そうに首をかしげていた。
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