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わたしと希海は隣同士の家に住んでいて、本物の姉弟のように育った。
毎日一緒に遊んでいたし、お互いの家にお泊りもした。
怖がりだった希海は寝る時間になると、必ずわたしの布団に侵入してきた。
「千歌ちゃん、オバケ、もういない?」
わたしの嘘を信じて怖がる希海を、わたしは密かにかわいいと思っていた。
「もういないよ」
「よかった」
希海はほっとしたようにそう言って、わたしに抱きついて眠るのだ。
わたしはそんなことを思い出しながら目を閉じる。
幽霊って冷たいものだと思っていたけど、なぜだか背中があったかい。
だけどどんなに寄り添っても、わたしたちが触れあうことは二度とないのだ。
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