ハミング

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2  よく晴れた、ある日のことじゃった・・・ ん?ふつうにしゃべりなさいって? はい・・・  ハミングは南国育ち、色とりどりの花から花へ飛び()って、たくさん美味しい蜜を吸った。  真っ赤なブーゲンビリアとハイビスカス、真っ白なプルメリア、ハートの形のアンスリウム、そしてシンビジューム、デンドロビウムにゼラニウム、そしてそしてアザレアにベゴニア・・・。  いつでも当たり前のようにたくさんの花が開いていた。甘い蜜もたっぷり・・・ううん、糖尿病になりかけたって話しは聞いてない。  熱帯の密林に人間がやってきて、きれいなお花を選んでチョンチョンって摘み取っていった。その中に大好物のブーゲンビリアを見つけたハミングは、得意のホバリングで人間を追いかけながら、チュッチュって蜜を吸った。いつのまにか人間は、ハミングの知らない細い道を歩いていた。その突き当たりに銀色の扉があった。人間は扉を開けて熱帯雨林の外に出た。もちろん、好奇心旺盛なハミングも一緒に。
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