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4.何か
それから何事もなく一ヶ月が過ぎ、職員検診の時期がやって来た。
私はカルテ庫に、私自身のカルテを探しに行ったが――
――ない。あるべき場所に、ない。
おかしい。
そこには、代わりに真っ白なカルテが一冊。
違和感が蘇って来た。
ずっと、
誰かに見られているような、
すぐそばに誰かが立っているような、
――誰か? いえ、――何か。
あの白紙のカルテは、本人たちが、自ら消しに来たんじゃない。
消されたんだ、
何かに
そして、
その何かの次の狙いは、
私、
<了>
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