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駅の階段を降りるとコンビニが見えたので、とにかく急いで中へと入った。
「いらっしゃいませー!って拓真じゃん」
「あ!翔太。コンビニのバイトってここだったんだね」
「そうなんだよー。この時間暇でさ。それより急いで走って来たけどどうした?あれ?隣にいるのって、もしかして彼女?」
「ち、違うよ。幼馴染み!」
「おい、こんな美人な幼馴染みがいたのかよ。紹介されたことないぞー」
「そんなことよりも今大変なんだよ。痴漢に追いかけられていて。しばらくここにいてもいい?」
「は?痴漢?マジかよ」
「今もまだ外にいると思う。黒いスーツを着てスニーカーを履いてる男性だよ」
「今から外の掃除だからついでにまだいるか見てくるよ」
翔太は店の外へ出て掃除をしながら、くずかご入れの所に黒いスーツを着てスニーカーを履いてる男性が立っていることに気付き、サーッと終わらせてコンビニに戻って来た。
「マジでまだ外にいたよ。怖いな。すぐにタクシーを呼ぶよ。歩くのは危険だろうし」
翔太が急いでタクシーを呼ぶと、ちょうど近くを通っていたらしく、待ち時間はほとんどなかった。
「助かったよ、本当にありがとう」
「おう。気をつけてな」
僕と彼女は翔太にお礼をし、タクシーに乗った。
これが、僕と彼女の5年ぶりの再会だった。
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