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魔法の塔は、壁一面に魔法書が収められた、魔法使いのために存在する塔である。
そこには、老婆の魔法使いがいた。
彼女は、禁術に手を染め、閉じ込められているのだという。
耳と言葉を封じられ、魔法は使えない。
そんな老婆が、魔法使いの教師だった。
マリエッタは文字で意思の疎通を取りつつ、老婆から魔法を習う。
老婆はとても厳しかった。マリエッタが理解していないと気づくと、指示棒で容赦なく叩くのだ。
けれども、彼女はめげない。
幼少期に読んだ童話にでてくる魔女に憧れていたので、魔法は嫌いになれなかったのである。
頑張れば、いつか魔法を使えるようになるはず。
そう思って努力していたものの、いっこうに魔法は使えない。
そんなマリエッタの楽しみは、興味がある魔法について調べること。
授業では儀式的な魔法しか習わない。マリエッタが興味を示したのは、生活の営みのために編み出された魔女術――ウィッチクラフトと呼ばれるもの。
魔女術はかまどに火を点したり、風を起こして洗濯物を乾かしたり、風呂釜に湯を満たしたりと、日々の暮らしを豊かにするために使われる。
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