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オープニング
「あ……ぁ、っ……うぁっ……。」
小さな嗚咽を、枕の上に滑らせる。
細く弱く脆く、口にした瞬間に消えていく、言葉にならない声達。
「うぁあ……っ。」
布団を引き上げて、頭からすっぽりかぶった。
暗くなる視界、中に籠もる涙声。
辛い。辛い。哀しい。悲しい。辛い。
止まらない涙が肌を伝い、髪を濡らし、染みを作る。
泣き止めなくて、嫌で嫌でたまらなくて、胸に何かがつまったような気分で。
しばらく体を丸くして泣いていたら、いつの間にか眠っていた。
眠りの中で、夢を見た。
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