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添い寝に抵抗が全くないといえば嘘になるが、そういえば妹のつばさもよく布団に潜りこんできたな、とふと隣の女性と妹が重なった。
そう思ってしまうと、気恥ずかしさはあるが、しばらくたつと落ち着きも取り戻してくる。
「うん。落ち着く」
「ありがとうございます」
どうやら新品の抱き枕は合格基準に達したもようで、満足してもらえたようだ。
清見こうじ様
https://estar.jp/users/551895347
「しばらく寝るわ。柊護も暇だから眠っていいわよ」
どうやら退出することは許されないのだろう。
昼間を過ぎてしばらくたつが、まだ外の陽は高く部屋も明るい。
眠れといっても環境が違うので眠くない。
さて、どうしようか。
何を考えても仕方がないと、とりあえず眼を閉じていようか。
「ねぇ、柊護。告白するってことは、少しは覚悟があったってわけよね?」
えっ、と閉じた眼を開くと間近に朱葉サマの顔がある。
「それは……」
ひやりと冷たい感触があった。
それから花の蜜の甘い匂い。
「やっぱり若い子は美味しいわねぇ」
不敵に笑う朱葉サマはそれ以上何も言わず、あっという間に隣で寝息を立てていた。
あれ、いま、キスされた?
僕はただ困惑し、天井の木目がぐるぐると、回っているようだった。
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