・・・I know

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それから、私は、努力した。可愛い服やメイク、英会話だって、仕事だって頑張って、渉くんに認めてもらおうとした。 でも・・・頑張っても、頑張っても、渉くんの言葉や態度に愛を感じることはなかった。渉くんは私の向こうに美月さんを見ているのだ。 私は、あの時と同じ言葉を渉くんにぶつけた。 「渉くん、美月さんが好きなんでしょう?」 「いいや。僕が好きなのは、美紀だけだ」 ・・・と言って、2度目のキスをしようとする。 「やめて!愛のないキスなんて、されたくない」 私の言葉は、渉くんの心に響いたようだ。 「僕は・・・美紀が好きだよ?」 「うそつき!じゃあ、あの美月さんを見る目つきは何?」 「・・・」 「信也さんを紹介したんだって、美月さんの想いを試そうとしたんでしょう。で、2人がつきあって、淋しくなって私の告白を受け入れた」 「・・・」 私は、絶望的な気持ちになった。 「私もね、誰でもよかったの。ぱっと見、かっこいい人なら誰でも」 「うそだろ」 「うそじゃない。男なんて、アクセだと思ってる。私を飾ってくれる、ね」 「そんなこと、思ってたのか」 渉くんはショックを隠せないようだった。 「別れよ。私、どうせだったら、もっと、キスとかハグとかしてくれる人がいい」 「・・・僕の愛情表現が足りなかったなら」 「もう、遅いわ。実は、もう、ちょっと好きな人がいるの」 「そっか・・・じゃ、仕方ないな。別れようか」 「さよなら」
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