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ではでは、和泉君の家系について、怪談テイストに解説致しましょう。
怪談「呪い」
新田邸と云う心霊スポットを知っているだろうか?
ここは、夜中に行くと読経が聞こえると噂のある、静岡市では有名な恐怖スポットだ。
私は数年前から其処に通い詰めて怪異との遭遇を待っている。
勿論カメラは必需品。忘れず撮影もしていて、今まで全部で三枚、不気味なモノが写った経験がある。
一つは廃屋の窓から此方を覗き見ている白い顔。
もう一つは廃屋の窓に浮かび上がる髭面の男性。
最後は青い光と庭木の陰から覗く顔。
この三体のアヤカシの祟り、或いは呪い(のろい)を被ったのか、ここ数年で三回も脳梗塞で倒れた。
こんな事をしているから無事を祈って神社への参拝も欠かさず、近くの静岡護国神社で破魔矢を購入した。
ある時、白い犬から放たれた矢を指先で受ける夢を見た。目がさめると、指先に爪で押さえた様な傷痕が残っていた。
破魔矢に付いた絵馬に描かれた白い亥が、この白犬とそっくりだったので購入したのだ。
白い犬の御利益なのか、相変わらずシャッターを押す度に不気味なモノが写る。
先日も河童が棲むと伝説のある沼で、得体の知れない影が写った。
送り狼の伝説がある峠で、妖怪か白い犬の物かは判らないが、犬の声を聞いて逃げ帰った事もある。
白い犬の物なら、これも送り狼の危険を報せる「お気付かせ」なのだろうか。
三度の脳梗塞から立ち直った奇跡も白い犬の御利益かもしれない。
所で、話しは変わって、コロナウイルスが流行っているが、明治時代までは疫病と云えば呪い(マジナイ)だったそうだ。
ある日、曾祖母の家の前に倒れていた僧侶を介抱した所、病気に効く呪いを教えてくれた。
以来、我が家では病気と云えば呪いだ。
ポリープが出来れば呪いで小さくするし、骨を折れば呪いで繋げる。
先述の通り、彼は心霊スポットを回りすぎて、そのせいか三回脳梗塞で倒れた。
叔父にも祟りが飛び火したのか、こちらも脳梗塞で倒れたが、二人とも呪いで治ってしまった。
そんな叔父の家で、仏教展に行った叔父が貰って帰ったポスターから、僧侶が出入りしているのを伯父が目撃した。
伯父さんの家では存在しない僧侶が度々目撃されている。
伯母さん曰く、知らないお坊さんが、「年がら年中、
出入りしている」そうだ。
曾祖母に呪いを教えてくれた件の僧侶かもしれない。
心霊スポット巡り等と云う趣味を持っていると、神仏の加護と云う物を、とても有難く感じる。
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