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白衣の彼女は、その患者たちに対しても、円満な笑顔を振りまき、そして、やさしく挨拶を交わして通り過ぎていった。
絶世の美女というわけではないが、メガネの中から覗く瞳は、とても愛らしく、男性でなくても、惹きつけられる魅力を持っている。
廊下を出ると広場が現れ、沢山の人間達がいた。
しかし、やはり、普通の生活をするのは、難しそうな人たちのようだ。
そこは、さっきまでいた部屋ほどは汚れてはいないが、やはりお世辞にもきれいだとは、言えなかった。
後で分かったことであるが、ここの患者が、汚したり、もどしたり、暴れて怪我をしたりして、常にタイルの上に新しい模様や傷がつけられているようだ。
その時である。
一人の遠くを見ていた老人が立ち上がり、パクに気がつき、声をかけてきた。
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