第2章 大統領の演説

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今起こっているこの状態が何かの間違いなのか、もしくは何かの罠であるような気もする。 しかし取りあえずこの現状下では、この場を何とか誤魔化さなければいけないという結論に達した。 今までどのような演説をやっていたのかなど分からないが、取りあえず、自分が考えられる事を、取りあえず分かり易く、小学生を相手にしているように、話すことにした。 パクは、自分自身今のこのような状況の中、考えてもいないようなことを演説する事など出来ない。 とにかく、自分自身が考える世の中のあり方を話す事にした。 最初はぎこちなかったかもしれないが、話しているうちに、自分でも気分が乗ってきているのが、分かった。 知らないうちに、力説になっていた。 演説が終わり、自分としては良い演説だったと思ったが、周りの様子は不安だった。 もし自分自身が本当は自分自身の記憶通り大統領で、記憶が戻っていることが、もしばれでもしたら、殺されるのかもしれない。 パクは、そんな不安な気持ちを抱えたまま、周りの反応を見た。 その時である。 盛大な拍手が起こった。 先ほどいた数人が、いつの間にか数十人に変わっていた。
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