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パクは、気が気でない状況が続き、長い長い朝食までの時間を過ごしたが、怪しまれることなく過ごすことが出来たようだ。
自分なりに、ここまではうまくこなしていると思っている。
一人になるチャンスを作るため、トイレに行きたいと言ってみた。
そのとき、トイレの場所を間違える振りや、漏れそうだ間に合わないというような、その場の状況にあった反応はしたつもりだ。
白々しいかどうかは分からない。
すると、例の看護婦が手をつないで、トイレまで連れていってくれた。
とても、柔らかく温かい手だ。
トイレに一人で入ると直ぐに今日の出来事を分析することにした。
今までとった行動が、成功だったのかどうかは、パク自身分かる術はない。
まだ朝食が終わっただけだ。
これからどんな行事があるのかも、全く見当もつかない。
便座に座ったパクは、自分が信じる過去と今日の出来事との結びつきを考え直してみることにした。
まず、パク自身が考えている名前”パク・ミョンバク”という名前をみんなが理解しているかまでは、分からない。
しかし、正気か狂気かは別にして、パク自身のことを大統領だとみんなも思っているようだというのは感じた。
このような病院の患者まで浸透しているということは、たぶん、私自身が大統領というのは、ある意味間違いではないのではないだろうかと思える。
全員が演技しているとも、とても思えなかった。
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