第3章 状況把握

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この可能性がすべてにおいて、一番裏付けがつく気がする。 しかし、そうだとしても、自分自身が、一番納得がいかないのも事実だ。 窓ガラスに映る自分自身も、私が知る私だ。何年も気がふれていたとは思えない。 もう一つの可能性があるとすると、パク自身の記憶が(ぼやけているところは多いが)正しくて、今おかれているこの状況がすべて作られたものということだ。 つまり、この国の大統領であるパク・ミョンバクを 何者かの手によって、このように思うように仕向けられているというのも考えられなくはない。 これは、パク個人の気持ちとしては、可能性が高いように思えた。 しかし、そうすると、この病院の患者たちも、実は正気で演技をしていることになる。 彼ら全員が演技しているとは、とても思えなかった。
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