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“「ぺ」の記憶はどうだ。” 男の声だ。
“まだ、よく分かりません。
ただ、今の状況にむりやり合わせようとしている傾向にあると何度か感じました。
それから私を不審に思っているようには見えません。”
“しかし、「ぺ」も最高位までいった人間だ。
実は既に気がついていて演技をしているという可能性もある。
明日は、次の作戦に移行するから、君はそのまま「ぺ」の観察を詳しくするように。分かったね。”
“はい、私から言い出したことですから、心得ています。
それと「ぺ」ではなく、「パク」です。”
“そうだった。”
と言った後、その声の主である白衣の天使は白鳥になり、天へと飛び立った。
そしてもう一人の男は、身体が溶けて、地中に潜っていった。
パクは、眠っていたとはいえ、頭ははっきりしていた。
今の夢がとても真実のものとは思えない。
といって、全くでたらめと思うには、あまりにもはっきりと、記憶として頭の中に残った。
パクは、全く違うことが頭に浮かんだ。
“あの看護婦のことがもっと知りたい。名前を知りたい。”
と思った。
しかし、彼らの言った「ぺ」が、パク自身のことであることはある程度想像できた。
今の夢が本当に起こったことだとはとても思えなかったが、確認してみる必要性はありそうだ。
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