第4章 広場の変化

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パクは完全に目覚めた時、疲労が続いていたので、先ほどの夢を忘れかけていた。 しかし、彼の脳裏のどこかに(彼が現在、正常な脳の持ち主かどうかは別として)、そのことは、片隅に残っていた。あの白衣の天使がドアをノックして、入ってきた。 その顔をみた瞬間、その記憶が蘇った。 「お目覚めですか。ぺ、、パク大統領。この後、定期検診ですよ。」 外は青空が広がっている。 相変わらず、彼女の声も爽やかだった。 しかし、あの夢のおかげである程度気を付ける必要はあるのかもしれないとも思った。 あの夢がなければ、心地よく彼女の言葉をそのままの意味に聞き取ったであろう。 そして午後くらいから気がついたことが、もう一つある。 何事かを思い出そうとする時のことだ。 何も考えずに思い浮かべようとするときは、素直に思い出せるが、意識して、思いだそうとするときに限って、頭の中が一旦真っ白になってしまう。 気のせいかもしれないが、そんな気がパクは漠然としていた。  病院の広場を通るとき、みんなが、“大統領”と声を掛けてきた。 そして、今朝がたのパクの演説を前の方で見ていたある初老の男が、握手を求めてきた。 パクは、その男の尊敬の眼差しに答えるように握手をしたが、その初老の男の顔が徐々に歪んできた。 そして、怒鳴りつけるように、その男はパクにたいして言葉を発した。
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