第4章 広場の変化

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そのようなことが頭をかすめているときにも、白衣の天使は一人で他の患者を静める努力をし、パクの手を掴み、急いで広場を通り過ぎようとしていた。 ほとんど一瞬の出来事だったが、パクは白衣の天使のちょっとした表情を見逃さなかった。 それは、パクに対して不審な気持ちは持っているようではなく、哀れんでいるような表情をしていた。 パクは彼女に手を引っぱられて、いつのまにか診察室らしいドアの前に来ていた。 その扉は、くすんだ灰色で頑丈そうで暖かみを全く感じられなかった。 パクは直感的に“ここはまずい”、この中に入ってしまってはいけないと思った。 しかし、白衣の天使はドアを既にノックしている。 中から低い声の男が、“入っていいよ”と言葉をかけてきた。ますますまずい。 これ以上深入りするわけにはいかない。 パクはそう思い天使の方を見たが、天使は、にこやかに笑ってこう言った。
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