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「何も心配することはないわよ。
昨日からだいぶん良くなったようだから、一日早く検診をすることにしたの。
はやく政界に戻れるといいですね。」
天使は平静を装っていたが、ちょっと心配そうな表情を隠し切れていなかった。
パクはその天使の表情を見て、ますます不安になってきた。
そしてそんな天使を見ている自分がどんなにこわばった表情をしているのか知る由もなかった。
それを察したらしく天使は優しく、そして強くパクを抱きしめて
「あなたなら大丈夫です。
あなたにしか国を守ることは出来ないの。がんばって。」
と言って、身体をゆっくり離した。
パクは、今天使が言った台詞の意味が良く分からなかった。
しかし、そのことを問いただそうとして出た言葉は違うものだった。
「君の名前は何だっけ。」
「ジュリ(珠里)よ、忘れないでね。」
聞いたことがない名前だ。
パクは、さっきジュリが言った言葉を繰り返し聞こうと思ったが、中から早く入ってくるように催促の声がしたので、ジュリに連れられて部屋へと入らなければならなくなった。
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