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画面の中には、二人の男がトークを繰り広げていた。
一人は司会者なのだろう。初めて見る男だ。
もう一人のほうは、勿論パクのよく知っている男。
そう、パクの第一秘書のチェ・テウだ。
そして、テレビの中の司会者の男が、話を続けた。
「ところで、チェ大統領代行。次の質問に入りますが…。」
“なにぃ、チェ大統領代行。”
パクは、知らず知らずのうちに大声を出していた。
この時、医者とジュリは初めて、パクの異常な状況に気がついた。
その時のパクの怒りは、既に頂点に達しているようだった。
真っ赤な顔になっており、医者の方に歩み寄ってきた。
「貴様達も、グルだったんだな。
そうか、すべては、チェが計画した事なのか?
あいつは、以前から私の地位を狙っていたということか?」
パクは、気が狂ったように(現在、既に気が狂っているのかも知れないが)、医者に飛びかかり、押さえつけ、罵りながら首を絞め始めた。ジュリも狂ったように
「やめて、パ、パクさん。チョン・デジュン先生は関係ないの。やめてったら。」
と叫びながら、チョン・デジュンと呼ばれた医師から、パクを引き離そうとした。
しかし、パクは、力を緩めようとせず、というより更に締めている力を加速させた。
四十代は越えているが、怒りのせいでか、常人以上の力で医者を押さえつけているようだ。
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