2人が本棚に入れています
本棚に追加
”彼”は恐る恐る、目を見開いてみることにした。
天井を見上げると蛍光灯の光は消されていた。
周りを見回したが、カーテンが、閉められている。
目を開ける前から思っていたが、改めて薬物の臭いが、ツンとくるのを感じた。
”はて、何故、私はこんなところにいるのだろう。”
そして、”彼”は、自分自身に対して、大事な何かが欠落しているのをその時初めて、感じた。
”私は、一体誰だ。今まで何をしていたんだろう。”
”彼”は、また、目を閉じ、深く考え込んでみた。
ゆっくり、息を整え、冷静さを取り戻すための時間を持ってみた。
暫く黙想をして心が落ち着いてくると、徐々に、自分自身のことを思い出してきた。
しかし、こんな根本的なこと考えるなんて、生まれて初めてだ。
最初のコメントを投稿しよう!