第1章 目覚め

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 「おーい。チェは、いないか。 いたら早く来てくれ。 どうやら、私は、ひどい頭痛に見舞われて、ちょっと頭が不安定になっているようだ。 チェがいないのなら、他の者でもよい。 早く来てくれ。 どうも、この状況が私には理解できん。」 既にこの時には、パクは、昨日までのすべての出来事を思い出していた。 いや、思い出したと確信したかった。 それを確認するためにも、パクの秘書チェ・テウ、もしくは、それ以外の彼の側近の誰かに、聞きただしたかった。 そして、自分でも何とか、この状況を納得したかったのだ。 そう、自分は、東アジアにある半島の南側の南韓民国第二十代大統領パク・ミョンバクであり、敵対関係にある隣国の北韓共和国が宣戦布告してきたというニュースを聞いたばかりだった。 其の対抗のため、軍部に攻撃命令をかけ、同盟国の大美国、倭国にも援軍を依頼したところだった。 今となっては、パクの頭痛は前よりもひどくなったが、はっきり、記憶が蘇ってきていた。
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